アミノ酸基礎知識

たんぱく質を構成する最小単位

たんぱく質を構成する最小単位のことを、アミノ酸といいます。そして、アミノ酸は、全ての生物体に存在しており、生命の根源となっているものです。人間は、アミノ酸の集合体であるといえます。約70~80%が水分で、20~30%がたんぱく質で構成されているのが、人間の体です。

人間の体を作っているたんぱく質は、アミノ酸が集まってできているものです。たんぱく質を主成分としているものはたくさんあります。脳、内臓、血管、白血球、赤血球、骨、筋肉、神経、皮膚、毛髪、爪、そして、遺伝子DNA、ホルモンなどです。

たんぱく質を構成する最小単位

全身のたんぱく質が新しくなるのは、約1ヶ月の周期です。一部は再利用されますが、約50%は、新しいたんぱく質と入れ替わっています。つまり、健康な体を維持するコツは、常に必要量のアミノ酸を補給することであるというわけです。また、実は、アミノ酸は、米が主食である私たち日本人にとっては、常に不足しがちな栄養素でもあります。

アミノ酸とは、カルボキシル基とアミノ基をもつ化合物です。カルボキシル基とアミノ基が、全く同じ炭素原子についているものを、アルファ-アミノ酸といいます。また、アミノ基が隣りの炭素原子に順に移るに従って、ベータ-、ガンマ-、デルタ-アミノ酸と呼ばれています。蛋白質の主要構成成分は、アルファ-アミノ酸であり、通常アミノ酸といえば、アルファ-アミノ酸のことをいいます。天然に存在するアミノ酸の種類は、80種以上とされており、そのうち、たんぱく質を構成するものとして、約20種類が知られています。

プロテインとアミノ酸 効率よいのは?

たんぱく質を構成する最小単位

プロテインとは、大豆や牛乳などから作られるたんぱく質そのものです。

プロテインを摂取するとまずペプチドに分解されます。
ペプチドとは、アミノ酸が決まった順番でつながっている状態のことですが、ペプチドになったプロテインは、その後さらにアミノ酸に分解されなければ、栄養として吸収することができません。

プロテインからアミノ酸に分解されるまでの時間が約6~8時間かかります。
ペプチドからアミノ酸に分解されるまでは約1~2時間かかります。
アミノ酸は分解する過程は不要で、すぐに体内に吸収されるので、迅速にアミノ酸を補給したいときには、プロテインよりアミノ酸の方が向いているということになります。

また、アミノ酸であれば、数あるアミノ酸の種類の中から必要なものをピンポイントで補給できるという利点もあります。
プロテインは、さまざまなアミノ酸を含んでいて不必要なアミノ酸も一緒に摂取することになり、無駄が多く、さらに牛乳などと一緒に摂取することで摂取カロリーも高くなります。
ダイレクト吸収できるアミノ酸の方が即効性があり効率がよいですね。

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アミノ酸スコアとは…

アミノ酸スコアとは…

食品に含まれる必須アミノ酸の構成比によって算出された数値を「アミノ酸スコア」といいます。
これは各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合(%)含まれているかを示すもので、各必須アミノ酸が100に達したものが良質なたんぱく質ということになります。

必須アミノ酸が一つでも不足すると、その不足したレベルまでしか他のアミノ酸も働かなくなります。このことを理解するために、よく用いられるのが「桶」です。桶を作る板の長さが、必要とするだけの長さに達していれば桶には水を並々と入れることができます。この状態がアミノ酸スコア100です。

ところが、板の長さがたった1本だけでも短いとその長さまでの水しか入らなくなります。その水の量がアミノ酸スコアとなります。つまり、短い板が40とするとアミノ酸スコアは40にしかならないのです。
これをアミノ酸の「桶の理論」といい、アミノ酸スコアを表しています。

豚肉と精白米のアミノ酸スコア

たとえば、よく使われるパターンとして豚肉と精白米の例があります。精白米はスレオニンが96、リジンが65、これ以外はすべて100を超えています。しかし、アミノ酸スコアは65です。
一方、豚肉は、スレオニンが116、リジンが168です。全部100を超えているアミノ酸スコア100の食品です。
精白米の足らない栄養価を豚肉が補い、一緒に食べることによりアミノ酸の栄養価を高めアミノ酸スコアを100にしてくれるのです。

動物性たんぱく質

日本人のたんぱく質摂取量に占める、動物性たんぱく質の量は、平均で50%とされています。この比率が、35%より下回れば、たんぱく質の質が下がるため、注意が必要です。卵・乳製品、肉、魚のうちの、ほぼ全てが、アミノ酸スコア100です。えび・かに・貝・いか類は70~85ほどです。たんぱく質の含有量も、100g当たりの15~20mg程度です。
しかし、動物性たんぱく質はカロリーが高いので要注意です。
また、野菜や穀類は、アミノ酸スコアも様々で、たんぱく質の含有量も大きく異なりますし、他の栄養素も不可欠となります。よく言われる「一日30品目」の食材を、バランス良く摂取し消費することが、重要であることがおわかりいただけると思います。しかしながら、毎日これを実践するのは、なかなか難しいかもしれません。

成長期のアミノ酸

たんぱく質の栄養価は、構成するアミノ酸の量と種類によって決められます。重要な点は、そのバランスです。バランスが悪いと、たんぱく質としての利用率がさがり、健康を損なう要素となります。
さらに、見落としがちとなるのが、子供のたんぱく質の所要量です。9歳の男子の必要量は、40歳の男性より多いのです。十分な栄養補給が成長期には必要です。学校給食に安心して、家庭の食事がおろそかにはなっていないかどうか、注意しましょう。

体内に保存することのできない栄養素

食物として摂取した水溶性ビタミンやたんぱく質は、糖質、脂質、ミネラルのように、体内に保存することができません。今日は、たんぱく質をたっぷりと食べたので、明日は摂取しなくて良いということはないのです。体の中で、代謝に使用されなかった水溶性ビタミンやアミノ酸は、体の外へ排出されてしまいます。毎日きちんと必要量をとる必要があります。

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成長ホルモンとアミノ酸

成長ホルモンとアミノ酸

ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone:ヒューマン グロス ホルモン)は、脳下垂体前葉より分泌されるタンパクホルモンであり、内分泌器官に作用して、体の器官や組織の発達に関与します。言い換えれば、タンパク質の代謝、電解質のバランス、炭水化物の代謝などに関与し、また体が脂肪をどのように使うかについてもコントロールする働きがあります。
この成長ホルモンには、タンパク質の合成を促進させたり、低血糖時にソマトメジンの分泌を促し血糖値を上昇させたりする働きがあります。反対に血糖値が上がればソマトメジンの分泌を抑制されることになります。また、寝不足になると肌が荒れることがありますが、これは眠れないと成長ホルモンが十分分泌されないため新陳代謝が不十分になるからです。成長ホルモンは皮膚の新陳代謝に大切なホルモンなのです。 また、成長ホルモン分泌が活発になると肥満解消、皮膚美容、筋肉増加、基礎代謝率の増加、免疫機能の改善などの効果が表れるといわれています。

成長ホルモンは若い時は豊富に分泌されますが、年齢とともに減少し老化を促進させます。しかし成長ホルモンはアミノ酸を投与すると分泌が促進されることがわかっています。 成長ホルモンの分泌を高めるためには、アミノ酸、さらにアミノ酸吸収を支援するビタミンB群・C・Aなどもバランスよく摂ることが大切です。
成長ホルモンの分泌が高まると、脂肪細胞や肌などの新陳代謝も活発になり、ハリと弾力のある肌が作られ、さらに筋肉量が増すことで、シワやタルミなども引き締められ、髪も黒々と光沢が増して毛根から立ち上がるほど元気になってきます。
筋肉の低下を防ぐためには、筋肉の材料となるアミノ酸や、アミノ酸からタンパク質、そして筋肉へと変えていく「タンパク同化作用」を活発にするホルモンの分泌を増やすことが大切です。

成長ホルモンとアミノ酸

筋肉の材料となるアミノ酸は、具体的にいうと、バリン、ロイシン、イソロイシンの三種類の必須アミノ酸です。筋肉は、細い筋繊維の束でできているのですが、その一本一本はアクチンとミオシンというタンパク質でできています。これらの筋タンパク質の主成分がバリン、ロイシン、イソロイシン

またアルギニンは、「若返りホルモン」の代表格である成長ホルモンの生成と分泌を盛んにするといわれています。
成長ホルモンは、タンパク質から筋肉を作り上げる同化作用を活発にします。

なお、若返りホルモンの分泌や働きを衰えさせる代表といえば、睡眠不足。
メラトニンというホルモンは、睡眠不足の解消に大変有効です。
メラトニンは、睡眠をつかさどるホルモンで、航空会社のパイロットたちの時差ボケ解消薬として知られています。
このメラトニンの材料となるのが、トリプトファンです。

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身体の中とアミノ酸

身体の中とアミノ酸

アミノ酸の働き

人間の身体は20種類のアミノ酸でできています。生きていく上でなくてはならない物です。そこで、アミノ酸は身体の中でどのような作用をするのか…

1. 体のエネルギーになる

糖質や脂質が体のエネルギーとして使われているのは良く知られています。それと同時に、体内のアミノ酸も、エネルギーとして使われています。競技前や競技中に、スポーツ選手がアミノ酸を配合したドリンクを利用しているのをしばしば見かけます。これはアミノ酸を体内に取り入れて、すぐにエネルギー源として利用するためなのです。

2. 情報を伝達する

アミノ酸やアミノ酸から作られる物質は、脳内や全身の各細胞間を行き来する伝達物質としての機能も果たしています。脳からの命令を体のすみずみまで届けて、そして体の末端からの情報を脳へ届ける重要な役割をアミノ酸は担っています。

3. 免疫システムを維持する

ウイルスや細菌・毒素などから体を守るため、体には免疫というシステムが備わっています。アミノ酸が不足すると免疫システムは正常に働きません。

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身体の外とアミノ酸

1. あなたのキレイにアミノ酸が貢献します

シャンプー、リンス、ボディーソープに「アミノ酸配合」という表示を見ることが多くなりましたが、アミノ酸を配合した製品にはさまざまなメリットがあるからです。

2. 肌の保湿成分はアミノ酸

肌の保湿成分はアミノ酸

私たちのからだは70~80%が水分(約30~35kg)です。この水分を保つために皮膚は大切な役割をしています。皮膚は、表皮層(約0.1mm)・真皮層(2~3mm)・皮下組織の層からなり、わずか0.01mmの角質層が表面を覆っています。
表皮は2週間ぐらいで表面に押し上げられて角質層になります。角質層はやがて剥がれて(ターンオーバー)しまいますが、角質層の水分量が肌のうるおい感を大きく左右しています。
表皮の細胞が角質層になるとき、細胞内のたんぱく質が分解してアミノ酸となり角質層に供給されます。それが、アミノ酸のひとつであるグルタミン酸からできるピロリドンカルボン酸(PCA)です。
角質層の中の水分(NMF=Natural Moisturizing Factor)として重要なのがアミノ酸であり、つまり、お肌のうるおいに大切なのは、アミノ酸なのです。

3. 美容成分のコラーゲンもアミノ酸

肌にハリをもたせる美容成分「コラーゲン」も、実はさまざまなアミノ酸からできています。
肌のカサつき、くすみなどのトラブルの多くはアミノ酸不足と大きく関係があり、アトピー性皮膚炎・花粉症・アレルギーなどの角質層も健康な人に比べるとアミノ酸が不足しています。
火傷の治療の際にアミノ酸を混ぜた軟膏を使ったところケロイド状にならずに元の状態に戻ったという症例も報告されています。

傷ついたキューティクルのケアに

4. 傷ついたキューティクルのケアに

水分を保つという事は肌だけではなく髪の毛にとっても大切なことです。髪の毛の水分はキューティクルと呼ばれる毛髪表面の組織が重要な役割をしています。アミノ酸はキューティクルの保湿成分です。
つやがなく、パサついた髪はキューティクルの損傷が大きく、アミノ酸の量も減っています。ヘアーカラーやブリーチは髪の毛を傷め、キューティクルがぼろぼろになっています。アミノ酸を配合したシャンプーやリンス、トリートメント剤を使うと保湿力が高くなり髪の毛が切れにくくなるなどの効果があることも実証されています。

5. 肌やカラダにやさしいアミノ酸

アミノ酸の石けん・化粧品・ヘアケア用品は、肌や髪にやさしいのも特長です。
普通の石けんで手を洗うとガサガサしてきたりすることがありますが、アミノ酸で洗うと、そうした感覚はほとんどありません。その理由のひとつに皮膚のpHがあります。自然の状態の皮膚は弱酸性(ph5~6)ですが、石けんはアルカリ性(ph10~11)、つまり洗った手もアルカリ性に傾いてしまいます。これが石けんによる肌荒れのおもな原因です。アミノ酸の石けんや洗浄剤は、肌のpHに近い状態で洗浄能力を発揮するように工夫されているので、洗い上がりもしっとりします。
その上、アミノ酸は私たちのからだを構成する成分なので、皮膚から内部に入り込んだとしても害はほとんどありません。

6. アミノ酸で体脂肪の燃焼度アップ

傷ついたキューティクルのケアに

フィットネスの世界では今、注目を集めているのがアミノ酸です。
脂肪の燃焼工場である筋肉は、ランニング、長距離水泳などの有酸素運動を行うことによって再生され、組織が増えます。筋肉の原料であるアミノ酸BCAAを補給しながら有酸素運動を行うと、基礎代謝が高まり、消費エネルギーが増え、太りにくいからだがつくられるのです。つまり“脂肪が燃えやすいカラダ”になります。
また、アミノ酸を摂取すると、より燃焼効率がアップされ、より長時間の負荷の高い運動が可能となります。
最近では、ファッションモデルなど体型維持のためにアミノ酸を利用する人たちが急増し、その効果が期待されています。

アミノ酸は環境にもやさしい

7. アミノ酸は環境にもやさしい

石けん・洗剤・生活排水と一緒に流されるものは、すみやかに自然にもどる生分解性が求められていますが、生物の部品であるアミノ酸は自然にかえりやすい物質です。河川や湖沼に流れ出ても、微生物がそれを食べて炭酸ガスと水に分解してくれれば環境破壊にはつながりません。 アミノ酸から発展した生活素材は私たちの暮らしの中で、ますます活躍の場をひろげています。

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アミノ酸とダイエット

アミノ酸は、ダイエットと美肌を応援してくれる、女性の救世主的な存在です。

人間の体の中には、リパーゼという脂肪燃焼酵素があります。リパーゼは脂肪を分解し、それを血液の中へと送り込む役割を持っていますが、このリパーゼの働きを活性化させるのが、アミノ酸です。また、それだけではなく、基礎代謝よくし、筋肉を作るのも、アミノ酸の大事な役割です。

アミノ酸とダイエット

アミノ酸ダイエットとは、食事制限をすることなく、運動によって脂肪を燃焼・筋力アップ・基礎代謝量をアップさせ、“脂肪を燃焼させやすい体”にして体質改善するというものです。そこで役立つのが、筋力アップアミノ酸「BCAA」の摂取です。BCAAの摂取により、毎日の運動量を増やすことができ、筋力トレーニングの疲れを翌日に残しません。また、ダイエットに対するストレスを軽減させ、その後のリバウンドの心配も必要ありません。

このアミノ酸ダイエットにおいて、最も大切なことは、筋力トレーニングをすることです。筋力トレーニングにより、基礎代謝量が増加し、太りにくい体質になれるからです。そこで、補助的な役割を果たすのが、BCAAです。アミノ酸ダイエットは、急速な体重の減少はありません。しかし、個人差はあるものの、3ヶ月間で5kgほど痩せられ、その後リバウンドしないというのが標準的な例です。

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